FastFETオペアンプAD8033を使った失敗事例①

アナログデバイセズ社FastFETアンプAD8033を使った失敗事例を掲載いたします。
仕様は下表の通りです。

入力インビーダンス 1MΩ
入力段減衰比 1:0.3
電源電圧 ±3.3V
周波数帯域(BW) ≧1MHz

そこで、AD8033を選定して以下のような回路を構成しました。

しかし、実際にプリント基板が出来上がり特性を見てみると、入力電圧が750mVくらいの所で大きな歪みが発生しています。

三角波を入力すると以下のような波形が観測できます・・・



LTspiceでシミュレーションを行いましたが、この現象は見受けられません。



原因は、AD8033には入力部にFETの領域とトランジスタの領域の切り替え点があることでした。

データシートには以下の記載がありました。

VS=±5Vのとき
FET入力範囲 -5.0~+2.2V
使用可能な有効入力範囲 -5.0~+5.0V

-5.0~+2.2VはFET入力で、+2.2V~+5.0Vはトランジスタ入力と読み取れます。
入力信号が低インピーダンスだと問題にならないと思いますが、高インピーダンスだとFETからTRに切り替わった時に、入力バイアス電流が大きく変化して1MΩのアッテネータ回路に誤差として現れるというのが原因でした。
ちなみに、英語版データシートでは、「使用可能な有効入力範囲」の記述はありません。
VS=±5Vに対して、同相入力電圧範囲が-5.0~+2.2Vと言われると、FET入力のオペアンプとしては良く見かける仕様だと思います。
確かにRail-to-Rail入力とはどこにも書かれていません。
AD8033を選定した時の完全な見落としでした。設計ミスという類です。
spiceモデル(ad8033.cir)をみるとトランジスタの部分はパラメータ化されていないようで、コメントで「Parameters modeled include:input common mode range for FET input」と記述があります。トランジスタの入力部分はパラメータに反映していないと理解しました。

この問題に対する具体的な対策については、後日掲載予定です。

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2012年11月30日 | コメントは受け付けていません。|

カテゴリー:技術情報

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